桐たんす、和家具からテーブル、机までお造りする職人です。また漆塗りの職人でもあります/指物師、漆塗師~京都の大東漆木工

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漆塗り 2、布着せ

 前回の漆塗り1、木地固めに続いて、漆塗り第2回めの今回は、木地に布を着せる工程を紹介してみたいと思います。

 何で、布を貼ったり着せたりするかと言いますと、角っこが欠けにくいように補強するためや、仕上がりをムックリとさせるためにします。

 また布目塗りと言って、貼り付けた布目の凸凹の模様を活かして仕上げる塗り方もあります


漆塗り箪笥、浸み込ませた生漆が乾いて木地固めが終わる

 木地に浸み込ませた生漆が乾いて、木地がよく固まったら、


座卓漆塗り、生漆が乾いて木地が固まったら、表面を研ぐ

 表面をペーパーで軽く研いで、布を着せる準備をします。


漆塗り箪笥、布積り

 こちらは、寒冷紗といって、綿で粗く織った布です。こういった寒冷紗や、麻の布を、木地固めした上に、貼ります。

 あらかじめ、布を、貼る木地の大きさに合わせて、切っておきます。



米粉を水で溶く

 次に、布を貼るのに使う糊漆という糊を造ります。まず米粉を水で溶いて


米粉を水で溶いて茹でて米糊を造る
 
 それを茹でて、米の糊を造ります。


桶に入った生漆
 
 こちらは、桶に入った生漆です。


生漆と米糊を混ぜる

 この生漆と先ほどの米糊を混ぜて


生漆と米粉を混ぜて糊漆を造る
 
 作った糊が、糊漆です。この糊漆を使って布を着せます。


漆塗り箪笥製作、引き出しに糊漆を付ける

 さて、箪笥の引き出しです。まず糊漆を付けて


漆塗り箪笥製作、糊漆を付けた引き出しに布を着せる

 布を、着せます。


漆塗り箪笥製作、引き出しの布着せ

 さらに、上から、薄く扱くように糊漆を付けて終わりです。


漆塗り箪笥製作、本体胴板に糊漆を付ける

 こちらは、箪笥の本体に布着せをする様子です。同じ様に糊漆を付けて、


箪笥漆塗り、糊漆を付けた本体胴板に布を着せる

 寒冷紗を被せ、


漆塗り箪笥製作、本体の布着せ

 糊漆を上から撫で付けて布を着せます


座卓漆塗り、麻布を着せる

 こちらは座卓です。少し粗めで、厚めの麻布を着せます。

 麻の布目の凸凹感の模様を活かして仕上げる予定です。


座卓漆塗り、糊漆を付ける

 座卓に、糊漆を手早く付けていきます。


座卓漆塗り、糊漆を付け麻布を被せる

 全体に大きな麻布をバッサリと被せます。


座卓漆塗り、脚回りも麻布を被せ、糊漆をしごき付ける
  
 脚回りにも麻布を被せ、上から糊漆をしごき付けます。


座卓漆塗り、麻布の上から糊漆をしごき付ける

 天板にも、麻布の上から糊漆をイッキに汗だくでしごき付けていきます。


座卓漆塗り、麻布を着せ終わる

 ホントにたくさんの糊漆をイッパイ使いました。


座卓漆塗り、布着せ糊漆が乾いたら、余分な布を切り払う

 1~2日で、布着せの糊漆が乾きます。

 そしたら、重なったりした余分な布を小刀で削り取ったり、切り払います


座卓漆塗り、鉋で布払い、

 私は、いつも最終的には、鉋を使って、削って、払い落とします。


漆塗り箪笥製作、小刀で引き出しの布払い

 こちらは、箪笥の引き出しです。やはり小刀で切り落として、


漆塗り箪笥製作、鉋で引き出しの布払い

 鉋で払い落とします。
 

漆塗り箪笥製作、小刀で本体の棚の布払い

 箪笥の本体の引き出し入る棚板です。


漆塗り箪笥製作、鉋で本体の棚板の布払い

 やり方は同じで、私は、最後は鉋で整えます。


漆塗り箪笥製作、ペーパーで研いで布目の頭をを揃える

 余分な布を払い落としたら、ペーパーで研いで布目の頭を揃えます。


座卓漆塗り、ペーパーで研いで布目を揃える

 座卓に貼った麻布も同じように、ペーパーで研いで布目を揃えます。


座卓漆塗り、布着せ、布払い、布目揃えが終わる

 布を着せ、余分な布を払い、研いで布目を揃え終わった、座卓です。


漆塗り箪笥製作、布着せ、布払い、布目揃えが終った箪笥

 布着せ、布払い、布目揃えが終った箪笥です。引き出しを入れて様子を見ます

 当たるような所があったら、更に削りとって調整します。


漆塗り箪笥製作、布着せが終わり、金具を仮付けする

 この時、金具も穴を開けて、仮に付けてみます。

 こんな感じで布着せの工程が終わります。


 このあとに、さらに、漆の下地を付けていきます。

 次回は、下地付けの様子をご紹介いたしますので、また、ご覧いただけたら嬉しく思います。


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2014-03-01 : 漆塗り : コメント : 2 :
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布目塗り、一閑塗り、法隆寺

 今日は、布目塗りや一閑塗りといって、布や和紙を貼って、その凹凸を生かした漆塗りの話をしてみたいと思います。

 内容的には、職人は、西岡棟梁が言っておられたように、奥深く、大らかに考えなければならぬのではないかといったお話です。


 こんな布や和紙を着せて漆を塗ります

 布を着せて、布目を生かした漆の塗り方を、布目塗りと呼びます。

 和紙を貼って、その風合いを生かした漆の塗り方を、一閑塗りとか、一閑張りとか言います。


漆、布目塗りの小引き出し

 布目塗りです。

 小引き出しの小さな箪笥です。


漆、布目塗り再生

 元々は、古い小引き出しの箪笥です。
 
 引き出しの前側だけ新しく布を貼って、漆を塗り直しました。

 本体の方は、古いままで、元々の布目塗りを生かしました。

 
漆、布目塗りの違い

 塗り方や、使った布や、漆の色によって、雰囲気が変わります。


漆、布目塗りの小たんすの引き出し

 引出しを開けたところです。

 引出しの内側は、桐を使っています。
 

凸凹のある布を着せて、漆を塗る

 この布目塗りの小たんすの引出し前板には、こんな凸凹のある布を着せて、漆を塗りました。

 布目塗りの工程を簡単に紹介しますと…
 

米糊と、生漆を混ぜて糊漆を作る

 米の粉を煮て作った、いわゆるデンプン糊と、生漆を混ぜたもので、布を貼り付けます。


糊漆

 よく混ぜて、練り合わせて使います。

 これを糊漆と言ったりします


糊漆で、布を着せる

 糊漆で、布を着せたところです。

 乾くと、糊漆は、こんな風に真っ黒です


IMG_0038.jpg

 さらに、生漆を浸み込ませて、かっちりと布を固めます。


砥粉を水で練った泥と、生漆を混ぜて、漆の下地を作る

 その上に、薄く、漆の下地を付けます。

 漆の下地は、砥粉という細かい土の粉を水で練った泥と、生漆を混ぜて作ります。


漆錆

 よく練り合わせて使います。

 この漆の下地を、錆とか、漆サビとか呼んだりします。


黒漆で下塗り

 漆の下地も乾くと真っ黒です。

 下地が乾いたら、軽く研いで、黒漆で下塗りをします。


朱の顔料と漆を混ぜて朱漆を作る

 黒漆の下塗りが乾いたら、また、軽く研いで、朱漆で中塗りをします。

 朱漆は、朱の顔料と漆をよく練って混ぜて作ります。


朱漆を塗る

 こんな感じで、朱漆を塗りつけます。


朱漆が乾く

 乾くと、こんな感じです。

 ちょっと、赤い色が、冷めると言いますか、濁った感じになります。

 これは、漆の色が出るからです。


引き出しが、本体に収まるか確認

 引き出しが、本体に収まるか、確かめてみます。


漆を研ぐ

 引き出しの収まり具合を見ながら、研ぎます。

 今度は、よく研いで、下に塗った黒を研ぎ出します。



漆の研ぎ炭

 漆を研ぐのは、こんな炭を使います。

 シャカシャカと、研げます。


漆をこす
 
 研げたら、上塗りをします。
 
 上塗りには、透明の漆を使います。漆は、透明でも、こんなコーヒー色です。

 何回か濾して、ゴミを取ってから使います。


 
上塗りの漆が、乾く

 上塗りが、乾いたところです。

 漆は、乾くと少し透明感が出ます。


金具を付ける

 金具を付けます。


研ぎだした黒漆"

 黒い色の部分が、研ぎだしたところです。


本体と引き出しと、2種類の布目塗り

 本体と引き出しと、2種類の布目塗りです。


竹のザルに和紙を貼って漆を塗った一閑塗り

 こちらは、和紙を貼って漆を塗った一閑塗りです。

 竹のザルに和紙を貼り付けて、漆を塗りました。


竹ザル、漆、一閑塗りの裏側

 裏側です。

 裏側は、朱の上に透明の漆を塗り重ねました。


こんな和紙を、糊漆で、貼り付けます

 こんな和紙を、糊漆で、貼り付けて、漆を塗ります


和紙は、手でちぎって糊漆で貼り付けます

 和紙は、手でちぎってぺたぺたと貼り付けます。

 手でちぎって貼り合わせますと、和紙の繊維が絡み合って強くなります。



漆、一閑塗り、和紙と竹の風合い

 和紙と竹の風合いが、なんとなく出でいるような、もう少し出ていても良いような気もします。

 和紙や布など、素材のデコボコ感を生かして、漆を塗るというのは、大変おおらかな発想です。

 ただ、私ども、職人にとっては、大変難しいことです。



小ザル、漆、一閑塗り

 普通、職人は、平らに、均一に仕上げることに慣れているからです。

 鉋がけでも、なるべく平らにツルンと削って仕上げて喜んでしまいます。

 職人は、チョット曲がった木でも、自分なりの勝手な規準に合わせて、真っ直ぐに削って使ってしまいます。


 私共、職人は、もっと、大らかに考え方を変えなければいけません。


雨に打たせて乾かした桐材

 長いこと、ワザワザ、雨に打たせて乾かした桐材です。

 桐材屋さんに、

 「仕事に合わせて木を買うたらあかん。

 木に合わせて仕事をしたらええんや。
 
 木は、自然のもやから大らかに考えんと仕方ないやろ 。」


と言われたことがあります。

 ホントにその通りです。



桐材、芯の部分

 そう言うと、法隆寺の西岡棟梁も、確か、

 「人間の都合で、勝手に作った規準に合わせて考えて、作業しようとするからおかしなことになる。

 木や自然に合わせて仕事をせなあかん。」

 というようなことを仰られていたのを思い出します。
 

 
桐材、1丸太分

 福井県の越前に、一寸知り合いの桐たんすの職人さんの兄弟がおられます。

 自から、生えている桐の木を買って、それを切り倒して、さらに乾かして、桐たんすを造っておられます。

 法隆寺や薬師寺と同じやり方です。

 

 なんとなく、大らかで、奥深い感じのする方々です。

 私も、少しでも、あやかれるようにと、職人の末席を汚しております。


 
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2013-07-04 : 漆塗り : コメント : 4 :
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漆塗り、色々

漆塗り 手板

 手板と言って、言わば、漆塗りの見本です。

 うちでは、桐や檜など、余った木で作ります。


漆塗り 手板下地

 手板ですが、漆を塗る前の下地を付けた段階です。
 
 凸凹を作ってみたり、布を貼ったり、和紙をはってみたり、その他、色々な下地を造って試します。

 
たくさんの、漆塗り 手板下地

 たくさんの、漆の手板の下地ができました。

 何かのついでの時に、5枚~10枚位造って試して見ます。


漆塗り 見本

 下地の上に、何回か漆を塗って仕上げた手板です。もちろん、この状態から、さらに漆を塗ったり、研いだり、磨いたりして、色々と試してみることもあります。

 漆を塗るのも、黒漆や透き漆や朱色等、また艶消しや、艶を出す等、漆の種類や、色や、塗り方を変えて、色々試して見ます。


たくさんの、漆塗りの見本

 ということで、うちには、たくさんの、漆の手板がありますが、お客様に漆塗りの見本として見て頂いたり、作業の参考にしています。
 

漆を検査

 こちらは、壁に貼って、漆のたれ具合を調べています。

 うちでは、お椀など小物と違って、家具など大きなものに漆を塗っています。漆が柔らかすぎると乾かす時にタレが出ます。逆に硬すぎると、広い面が塗れません。

 また漆の乾くスピード、時間も大事です。早すぎると塗れませんし、刷毛ムラが出来て安物のペンキを塗ったようになってしまいます。遅すぎるとタレができたり、溜まりができて、乾かない部分ができて困ります。

 それで、漆の硬さ、または、柔らかさが、さらに乾く時間が、うちの作業に合うか見ています。



漆の試験

 漆の硬さ、乾くスピードの他、漆の色等、温度と湿度によって変わりますので、いつも、試験して調べて、また調合し直したりして塗ります。
 
 ということで、たくさんの漆の試験用紙がたまります。


漆の色見本

 漆の試験が終わったは紙は、まとめて、切って、貼って、データとして残しておきます。

 お客様にも、漆の色見本として見ていただいています。

 漆塗りは、限りなく、色々です。
 色々と用意しておりますので宜しくお願い申し上げます。

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2013-01-15 : 漆塗り : コメント : 2 : トラックバック : 0
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黒目漆、溜塗り

漆の上塗りが終わった箪笥

 前回、ヘラで下地をつけていた箪笥ですが、上塗りが終わって金具を付けて完成しました。


漆溜塗りのたんす

 全体はこんな感じです。
 
 溜塗り(ためぬり)といって、最後に、透漆(すきうるし)で上塗りした仕上げです。


生漆

 これは生漆といって、下地に使います。

 ほぼ、漆の木から絞ったままの成分で、水分が、たくさん混じっています。
それで、コーヒー牛乳のように白っぽく濁っています。
 
 
透漆(すき漆)
 
 こちらは、透漆(すき漆)と言って、刷毛で塗るのに使います。
 ちょっと見た感じ、透明感のある黒色です。

 生漆をかき混ぜながら、お風呂の温度くらいに温めて、水分を蒸発させると、この黒っぽい透漆が、出来上がります。

 この透漆を造る工程を、クロメると言います。
 そして、透漆のことを黒目(クロメ)漆とも呼びます。

 
透漆の色

 その透漆(黒目漆)を白い紙に塗りますと、飴色と言うか、褐色です。
 これが、漆の色です。無色透明ではありません。
  
 上は、色艶、乾き具合をみておりますが、それはさておき、

 
朱を塗る

 普通、この透漆に朱などの顔料を混ぜて刷毛で塗ります。


朱漆を塗る

 この箪笥も、朱を全体に塗りました。


透漆を塗る

 しかし、透漆だけで塗ることもあります。
 
 この箪笥は、朱漆が乾いてから、さらに、透漆(黒目漆)を塗りました。


朱塗りのたんす
朱塗りの上に透漆を塗った箪笥

 上が朱塗りの状態で、下の画像は、その朱の上に透漆を塗って乾いた状態です。
 色目の違いが良く分かるかと思います。

 朱の上に透漆を塗りますと、透けたような、エンジ色と言うか、ワイン色に仕上がります


溜塗りの箪笥
 
 とろんとして、漆が溜まったような感じです。その奥で、朱がほんのり赤い感じがして、漆の塗膜に微妙に奥行を感じます。


漆の溜塗り

 それで、このような塗りを、一般的に溜塗り(ためぬり)と呼びます。



溜塗りの色艶と風合


 3分艶の調合で塗って納めました。
 写真では、分かりませんが、見る角度によって艶も色も色々に見えます。

 しかし、漆本来の色と風合が、良く出るのが、溜塗りです。


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2012-09-11 : 漆塗り : コメント : 0 : トラックバック : 0
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プロフィール

 大東伸哉・おおひがしのぶや

Author: 大東伸哉・おおひがしのぶや
 京都生まれ
 主にオーダーで、桐たんすをはじめ、水屋箪笥、机等、無垢の木で家具を造っています。
 漆塗りの職人(塗師)でもあります。
 桐箪笥や和家具の洗い修理、再生(リフォーム)や、漆の塗り直し等もしています。
Nobuya Ohigashi

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