職人気質の影で、鉋調整
今日は鉋についての話を少ししてみたいと思います。
簡単に言いますと、鉋は、手入れしなければ上手く削れません。
そして、鉋の手入れには、ちょっと手間がかかるという内容です。

カンナの刃は、刃先がきっちりと砥石にあたってよく研げるように、刃の裏側を裏すきといってすいてあります。
繰り返し何度も鉋の刃を研いでいるうちに、このように、裏切れといって、刃先の裏が砥石に掛からなくなってしまいます。

それで、鉋の刃を、反対の表側から叩いて、刃の裏側を、押し出します。

こんな風に、ぎっしりと、鉋の刃に叩いた跡がつくまで叩きます。
気長に、コンコンと、何回も、おそらくは、千回は超えると思いますが叩きます。

そうして、鉋刃の裏を研ぎますと、刃先だけスーと砥石が掛かって、このように、研ぎ上げることが出来ます。

別の鉋の刃ですが、同じように叩きだして研ぎました。
このように、鉋刃の裏を叩き出して研ぎ上げた形を糸裏と呼び、鉋の刃は、大変よく切れる状態です。

きっちりと研いだカンナの刃は、ホントに良く切れます。刃先に触れるだけで、ばっさりと何の抵抗もなく、切れます。
自分の指先を切っても傷みも感じません。いつの間にか血が出ていて、気付かされることもしばしばです。

鉋の刃を研いで短くなった分、鉋台の仕込みの堅さも少しきつくなりますので、鑿でちょっとさらえて、微妙にゆるめて調整をします。
鉋刃の仕込が堅いと、鉋台から刃先を少し出したときに、鉋台が微妙に反って狂うからです。

鉋台の下端も使っているうちに磨り減ったりして、少しずつ狂ってきますので、台直し鉋という特殊な鉋で、横摺りして削って平らになるように調整します。

これは、長台カンナと言って、正確にまっすぐに削るための鉋です。
今回は、この3台の鉋を調整しました。いつも2台~4台位の鉋をセットで使っていますので、調整の時期も重なってしまうことが多く、大変です。

他にも、このような色々なかんなを調整しました。

そこそこ手間をかけ、調整しますと、鉋は、機嫌よく削れます。
ホントのことを言いますとカンナの調整には、結構時間が掛かります。
特に何台かまとめてこれだけの数の鉋を調整するとなると、ホントにかなりの手間と時間が掛かります。

でも、私を含めて職人は、鉋の調整に時間が掛かったとか、手間を食ったとかは、あまり口にはしません。
職人にとって、時間や、手間がかかると言うのは、腕が悪いと自分で言っているようで、カッコ悪くて恥ずかしからです。

職人は、きちんと、きっちりと、正確に、それでいて、早く出来てこそ、腕がよくて、お金がもらえるのです。
ですから、職人の「朝飯前のひと仕事」は、実は、暗いうちからであったりします。

おそらく大抵の職人は、ホントは、仕事で、四苦八苦し、予想以上に手間取る時が、案外多いのではないかと思います。
そんな時に限って、職人は、素知らぬ顔でトボケているものです。
特に、お客様の前では「大したことないです。」とか「それほどでもなかったですよ。」とか言って、適当にカッコをつけて、取り繕ってしまうことが多いものです。

ただ、お客様の方で、なんとなく察してしまわれるといいますか、お察し下されることも、私共、職人が考える以上に多いように思います。
職人は、単純で困ります。

職人の「大したことないです。それほどでもないです。」は、実は、ホントは「大したことある。」事が多いので厄介です。
職人気質の影で、職人の嫁は、泣いております。
簡単に言いますと、鉋は、手入れしなければ上手く削れません。
そして、鉋の手入れには、ちょっと手間がかかるという内容です。

カンナの刃は、刃先がきっちりと砥石にあたってよく研げるように、刃の裏側を裏すきといってすいてあります。
繰り返し何度も鉋の刃を研いでいるうちに、このように、裏切れといって、刃先の裏が砥石に掛からなくなってしまいます。

それで、鉋の刃を、反対の表側から叩いて、刃の裏側を、押し出します。

こんな風に、ぎっしりと、鉋の刃に叩いた跡がつくまで叩きます。
気長に、コンコンと、何回も、おそらくは、千回は超えると思いますが叩きます。

そうして、鉋刃の裏を研ぎますと、刃先だけスーと砥石が掛かって、このように、研ぎ上げることが出来ます。

別の鉋の刃ですが、同じように叩きだして研ぎました。
このように、鉋刃の裏を叩き出して研ぎ上げた形を糸裏と呼び、鉋の刃は、大変よく切れる状態です。

きっちりと研いだカンナの刃は、ホントに良く切れます。刃先に触れるだけで、ばっさりと何の抵抗もなく、切れます。
自分の指先を切っても傷みも感じません。いつの間にか血が出ていて、気付かされることもしばしばです。

鉋の刃を研いで短くなった分、鉋台の仕込みの堅さも少しきつくなりますので、鑿でちょっとさらえて、微妙にゆるめて調整をします。
鉋刃の仕込が堅いと、鉋台から刃先を少し出したときに、鉋台が微妙に反って狂うからです。

鉋台の下端も使っているうちに磨り減ったりして、少しずつ狂ってきますので、台直し鉋という特殊な鉋で、横摺りして削って平らになるように調整します。

これは、長台カンナと言って、正確にまっすぐに削るための鉋です。
今回は、この3台の鉋を調整しました。いつも2台~4台位の鉋をセットで使っていますので、調整の時期も重なってしまうことが多く、大変です。

他にも、このような色々なかんなを調整しました。

そこそこ手間をかけ、調整しますと、鉋は、機嫌よく削れます。
ホントのことを言いますとカンナの調整には、結構時間が掛かります。
特に何台かまとめてこれだけの数の鉋を調整するとなると、ホントにかなりの手間と時間が掛かります。

でも、私を含めて職人は、鉋の調整に時間が掛かったとか、手間を食ったとかは、あまり口にはしません。
職人にとって、時間や、手間がかかると言うのは、腕が悪いと自分で言っているようで、カッコ悪くて恥ずかしからです。

職人は、きちんと、きっちりと、正確に、それでいて、早く出来てこそ、腕がよくて、お金がもらえるのです。
ですから、職人の「朝飯前のひと仕事」は、実は、暗いうちからであったりします。

おそらく大抵の職人は、ホントは、仕事で、四苦八苦し、予想以上に手間取る時が、案外多いのではないかと思います。
そんな時に限って、職人は、素知らぬ顔でトボケているものです。
特に、お客様の前では「大したことないです。」とか「それほどでもなかったですよ。」とか言って、適当にカッコをつけて、取り繕ってしまうことが多いものです。

ただ、お客様の方で、なんとなく察してしまわれるといいますか、お察し下されることも、私共、職人が考える以上に多いように思います。
職人は、単純で困ります。

職人の「大したことないです。それほどでもないです。」は、実は、ホントは「大したことある。」事が多いので厄介です。
職人気質の影で、職人の嫁は、泣いております。
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