桐たんすの風

三つ重ねの桐たんすですが、上置きの3ツ割の小引出しの真ん中の引出しを、開けて閉めると両側の他の2つの小引出しが開いてしまいます。

同じように、中置きの3段の引出しの真ん中の引出しを、開けて閉めると、上下の他の2つの引出しが開いてしまいます。
これは特別に珍しいことではなく、桐たんすに限らず、そこそこの精度で、気密性を持たせて、きちんと箪笥を造ると、どうしてもこのような事が起こります。
ちょっと使いづらいですが、実は、このような事で桐たんすの引出しを開けたり閉めたりすることができるのです。

桐たんすには、引出しが入る棚板の奥には、上のように空気が通る孔を開けています。

引出しを開けたり閉めたりすると、この孔から空気が行き来して、空気に押し出されたり、吸い寄せられたりするために、他の引出しが開いたり、閉ったりします。

この孔がないと、引出しを閉める時は、圧縮された空気の行き場がなく、大変閉まりにくくなります。
逆に、引出しを開けるときは、引出しが入る棚の奥は、真空状態になって開けることができません。

つまり、桐たんすの引出しは、全体が連動して、徐々に閉じたり、開けたりするように造られています。
桐たんすの一つの引出しを、開けて閉めると他の引出しが開いてしまうのは、ちょっと不便に感じる方も多いと思いますが、桐たんすの中を風が吹き抜けています。
お問い合わせは、こちらです。
- 関連記事
スポンサーサイト