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桐たんす、和家具からテーブル、机までお造りする職人です。また漆塗りの職人でもあります/指物師、漆塗師~京都の大東漆木工

桐たんすの風

桐たんす、3ツ割の小引出しを閉めると他の2つの小引出しが開く

 三つ重ねの桐たんすですが、上置きの3ツ割の小引出しの真ん中の引出しを、開けて閉めると両側の他の2つの小引出しが開いてしまいます。


三つ重ねの桐たんす、中段引出しを閉めると他の2つの引出しが開く

 同じように、中置きの3段の引出しの真ん中の引出しを、開けて閉めると、上下の他の2つの引出しが開いてしまいます。
 
 これは特別に珍しいことではなく、桐たんすに限らず、そこそこの精度で、気密性を持たせて、きちんと箪笥を造ると、どうしてもこのような事が起こります。
 
 ちょっと使いづらいですが、実は、このような事で桐たんすの引出しを開けたり閉めたりすることができるのです。


桐たんす、棚板の空気孔

 桐たんすには、引出しが入る棚板の奥には、上のように空気が通る孔を開けています。

 
桐たんす、下置きの引出しを閉めると別の引出しが開く

 引出しを開けたり閉めたりすると、この孔から空気が行き来して、空気に押し出されたり、吸い寄せられたりするために、他の引出しが開いたり、閉ったりします。


桐たんす、下置きの引出しの開け閉め

 この孔がないと、引出しを閉める時は、圧縮された空気の行き場がなく、大変閉まりにくくなります。

 逆に、引出しを開けるときは、引出しが入る棚の奥は、真空状態になって開けることができません。


桐たんす、引出しを収めた状態

 つまり、桐たんすの引出しは、全体が連動して、徐々に閉じたり、開けたりするように造られています。

 桐たんすの一つの引出しを、開けて閉めると他の引出しが開いてしまうのは、ちょっと不便に感じる方も多いと思いますが、桐たんすの中を風が吹き抜けています。

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2013-01-27 : 桐たんす : コメント : 0 : トラックバック : 0
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プロフィール

 大東伸哉・おおひがしのぶや

Author: 大東伸哉・おおひがしのぶや
 京都で、 木工指物(指物師)と、
 漆塗り(塗師)をやっております。

 「京指物」 伝統工芸士
 大東漆木工 代表

 桐たんすや、水屋箪笥、机等、無垢の木で、和家具を造って…、漆をはじめ、天然の素材で、昔ながらのやり方で、仕上げております。
 
 桐箪笥や和家具の洗い修理、再生(リフォーム)や、漆の塗り直し等もしています。

 http://www.wakagu-ohigashi.com/

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