桐たんすと法隆寺

桐たんすと法隆寺とには、色々と共通点があります。
その中の一つの、釘に関しての話をしてみたいと思います。

桐たんすに使う木釘です。使い方が普通の釘とちがって、ちょっと難しいです。
まず、下穴を開ける錐に合わせて、木釘を削ります。

実際に桐の板に下穴を開けて確かめています。

組み合わせる2枚の桐の板に、木釘がきっちり利くかどうか確かめている所です。
木釘は普通の釘と違って、胴体全体で利きますのでこのような調整が、どうしても必要です。
普通の釘は、洋釘と言って明治以降に西洋から入ってきたものですが、頭の輪で効くようになっています。

この木釘とよく似た形をした物に、和釘があります。鉄で出来ておりますが、胴全体で効かすという所は、木釘と同じで、日本古来のものです。
和釘の大きい物は、1尺(30cm)を越え、法隆寺や薬師寺にも使われています。
つまり、桐たんすに使う釘と法隆寺や薬師寺の釘の形は、同じです。

桐たんすは、三代、約百年位しか持ちませんが、法隆寺はその十倍以上の時を経ています。
長く釘を持たすということに関して、明治以降の洋釘と比べて、日本古来からの体全体で効かす、和釘や木釘のほうが、手間は、かかりますが、優れているようです。
短期的には、効率が悪いが、長い目で見ると効率が良いという事でしょうか。
こういう古来からの色々な、知恵や手間や汗の結晶が、法隆寺や薬師寺なのかもしれません

ところで、この木釘ですが、炒ってから、使います。

木で作った釘をフライパンで煎っております。
香ばしい香が立ち込めています。
桐の板を組み付けて桐たんすを造るのに使うのですが。

木釘は削ってから、使う前にフライパンで煎ります。
香ばしい香りがしてきたら出来上がりです。
なぜ、煎るかと言いますと、熱を加えることによって、カリッと木釘が、硬く硬化するからです。
ただ、この煎り方も、ちょっとコツが要ります。、

こちらは、少し小さい目の木釘でが、
小さく細い木釘は特に、弱火で時間をかけてゆっくりと熱を加えます。
強火であわてて焦がしてしまいますと、もろく弱い木釘になります。
ですから、分厚い鉄板のフライパンや冬はストーブの上に乗せて気長に煎ります。

何かと、手間のかかる木釘ですが、桐たんすの作業には、分厚いフライパンが必要です。
お問い合わせは、こちらです。
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No title
おはようございます。
岩手でも金具のたくさんついた箪笥がつくられていますが
木釘にはウツギの木がよく使われると聞いたことがあります。
下穴、釘の削り方、打ち込む角度が出来上がりを決めるのとか。
以前、背板が反って外れている衣装箪笥入手したのですが木釘が覗いていました。
手っ取り早く細い木ねじで直して、今はテレビ台として使っていますが、
古いものなのでなかなか趣きがありますね。
岩手でも金具のたくさんついた箪笥がつくられていますが
木釘にはウツギの木がよく使われると聞いたことがあります。
下穴、釘の削り方、打ち込む角度が出来上がりを決めるのとか。
以前、背板が反って外れている衣装箪笥入手したのですが木釘が覗いていました。
手っ取り早く細い木ねじで直して、今はテレビ台として使っていますが、
古いものなのでなかなか趣きがありますね。
Re: No title
> おはようございます。
> 岩手でも金具のたくさんついた箪笥がつくられていますが
> 木釘にはウツギの木がよく使われると聞いたことがあります。
> 下穴、釘の削り方、打ち込む角度が出来上がりを決めるのとか。
> 以前、背板が反って外れている衣装箪笥入手したのですが木釘が覗いていました。
> 手っ取り早く細い木ねじで直して、今はテレビ台として使っていますが、
> 古いものなのでなかなか趣きがありますね。
コメントありがとうございます。
作業台の脚、また、参考にさせて頂きます。
> 岩手でも金具のたくさんついた箪笥がつくられていますが
> 木釘にはウツギの木がよく使われると聞いたことがあります。
> 下穴、釘の削り方、打ち込む角度が出来上がりを決めるのとか。
> 以前、背板が反って外れている衣装箪笥入手したのですが木釘が覗いていました。
> 手っ取り早く細い木ねじで直して、今はテレビ台として使っていますが、
> 古いものなのでなかなか趣きがありますね。
コメントありがとうございます。
作業台の脚、また、参考にさせて頂きます。
2012-06-09 08:30 :
大東 URL :
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