桐たんす、和家具からテーブル、机までお造りする職人です。また漆塗りの職人でもあります/指物師、漆塗師~京都の大東漆木工

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鉋、仕込み、石堂輝秀

 今回は、鉋の話を少ししてみたいと思います。

 ところで、「大工さんや、私共職人が使う刃物や、道具を見ますと、日本人は、発想がユニークで、個性豊かな人が多いなあ。」と、思うことが多いです。


鉋の刃と鉋台

 さて、こちらは、鉋の刃と鉋の台です。

 鉋の刃を買って、それに合わせて、鉋台を、台堀り屋さんに頼んで造ってもらいました


鉋、石堂輝秀

 鉋刃は、石堂輝秀という銘柄です

 鉋鍛冶の石堂さんの先代(石堂秀雄さん)が、造られた鉋です。


使い古しの石堂輝秀の鉋
 
 前から使っている、古い鉋です。

 こちらも、同じ石堂さんが作られた鉋です。

 石堂さんが作られた鉋は、鉋の身が薄く、スリムで軽くて使いやすいので気に入っています。


鉋刃を金槌で少し叩いて修正

 鉋の刃を買って、鉋の台を造ってもらっても、そのまま、すぐに使えるわけではありません。

 まず、鉋の刃を、金槌で少し叩いて、鉋の裏の刃先が、きっちりと砥石に当たるように修正し、


鉋の裏を真直ぐに砥ぐ

 鉋の裏を真直ぐに砥いで、さらに表側も使い勝手に合わせた角度に研ぎ上げます。

 この切刃の角度は、使う職人さんによって色々です。

 ウチの仕事は、桐や、杉、桧など、柔らかい木を扱うことが多いので、私は、薄く鋭く研ぐことが多いです。



鉋の裏金も研いで合わせる
 
 鉋には、裏金といって、簡単に言いますと、削る木の表面が逆剥けになるのを防ぐ役目の薄い鋼をつけることが、多いです。
 
 これも鉋刃と二枚ペッタリ貼り付くように合わさるように表裏研ぎます。


仕込む前の鉋台と鉋刃

 台屋さんに掘ってもらった鉋台と鉋刃の様子です。

 半分チョット位までしか、仕込まれていません。

 後は、鉋を使う職人が、使い勝手や好みに合わせて、削って仕込むようになっています。

 鉋刃に鉛筆を擦りつけて

 まず、鉋刃に鉛筆の芯の粉を擦りつけて、鉋台に軽く叩き込みますと、


鉋台の表馴染を鑿で削る

 鉋刃の当たるところに、黒く鉛筆の粉の色がつきます。

 それを鑿で、ちょっとずつ削ることを繰り返して、鉋刃を鉋台に仕込みます。


鉋台の裏に定規を当てる

 鉋刃をチョット叩いて、鉋の刃先が台から出るようになったら、

 鉋台の下端に定規(下端定規)を当てながら、

 
 鉋台の下端を削って調整

 鉋の台の下端を削って調整します。

 この鉋台の調整の仕方も、職人の鉋の使い方や、使い道、好みによって色々です。


仕込みの終わった鉋

 石堂さんの鉋ですが、やっと仕込み終わりました。

 こんなことをしていますと半日位は、すぐに過ぎてしまいます。

 一寸した鉋を仕込むのは、ほぼ1日がかりです。


仕込みの終わった石堂鉋で試し削り

 仕込みの終わった石堂鉋で、試しに一寸削って見ました。

 一応、まあまあ、削れるようです。

 もう一寸、使いながら、様子を見て調整をするほうがいいかもしれません。


石堂輝秀、一枚鉋

 こちらの鉋も、一緒に仕込みました。

 先程の鉋と違って裏金を付けない仕立てです。


一枚鉋に仕立てる
 
 裏金をつけた鉋を二枚鉋と呼びます。

 それに対して、裏金を付けない鉋を一枚鉋と呼びます。
 


石堂鉋

 この一枚鉋も石堂輝秀と打ってあります。

 先程の二枚鉋と同じく石堂さん(石堂秀雄さん)作の鉋です。


一枚鉋の刃口の隙間

 一枚鉋は、逆目を止める裏金を付けない代わりに、

 刃口をなるべく狭く調整して、逆剥けに削れてしまうのをを止めます。


一枚鉋の刃口

 鉋屑が、一枚通る隙間があったら良いようです。


一枚鉋の木っ端返し隙間

 こんな感じです。

 私は、一枚鉋が好きで、よく使います。
 

 一枚鉋、小鉋

 小鉋ですが、元々は、二枚鉋に仕立ててあったのを買ったのですが、

 仕込みの時に裏金を取って一枚鉋に仕立て使っています。


 小鉋、刃口の調整

 その時の刃口の調整の様子です。


一枚鉋と二枚鉋

 今回仕込んだ鉋、石堂輝秀、二つです。

 ところで、鉋の仕込みの様子をご覧頂いて分かるかと思いますが、日本の鉋は、最初は、半分位までしか出来上がっていません。

 鉋に限らず、職人の使う道具は、大体こんな感じで、未完成のままで売っていて、それを買って、



石堂輝秀、鉋二種

 後は、その道具を使う職人が、大層な手間ひまをかけて、自分なりに使える道具に仕立てたり仕込んだりします。

 これは、チョッと、不親切のように思われるかもしれませんが、


石堂鉋で桧を削る

 実は、使う人の意向を尊重した結果です。

 使う人の色々な好みや、使い勝手や、使い方を認めて尊んでいる訳です。

 鉋の刃を作る鍛冶職人、鉋の台を作る職人さん、鉋を使って仕事をする職人さん、

 
桐の板を鉋で削る
 
 この三者の組み合わせで、沢山の種類の鉋ができました。
 
 最近では、先端のモノ作りでも、多品種、少量生産が流行りだしました。


桐たんすのウラをかんなで削って仕上げる

 でも、日本の職人さんたちは、そんなことを、随分昔からやっておりました。

 日本の職人さん達の道具は、多品種で使う人の思いに合わすことができるようになっています。

 
 和の本質というのも、案外こういうところにあるのかもしれません。


 
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2014-01-09 : 道具、機械、手技 : コメント : 5 :
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 大東伸哉・おおひがしのぶや

Author: 大東伸哉・おおひがしのぶや
 京都生まれ
 主にオーダーで、桐たんすをはじめ、水屋箪笥、机等、無垢の木で家具を造っています。
 漆塗りの職人(塗師)でもあります。
 桐箪笥や和家具の洗い修理、再生(リフォーム)や、漆の塗り直し等もしています。
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