桐たんす再生、お洒落な時代金具

ちょっと前になりますが、京都の伏見、淀という所に桐の時代たんすを再生して、納めさせて頂きました。
淀は、あの淀君の、淀城の場所です。

話は変わりますが、お客様が、「この桐たんすは、普通の桐たんすと違って、お洒落なところが好きなんです。」と言っておられました。

どういうところが、お洒落と思われるか伺いましたら、

「金具が、お洒落なところが好きなんです。普通の桐たんすには、こ
んな洒落た金具はついてないでしょ。」とのことでした。

そう言われて、よく見ますと、横側の金具も、ハート型の模様の透かしが入っていたりと、何となくお洒落な金具がついています。

この桐たんすの上置きは、チェストとして使われることになりましたが、ちょっと見た感じ全体的にお洒落な感じがします。

元々は、こんな感じの、古い桐の時代箪笥でした。

三つ重ねの桐の時代箪笥ですが、こんな風に、上置きと分けて使うことになりました。
まず、金具を外して、水で流しながらよく洗います。そして乾いたら修理をします。

この桐たんすの、天板の接ぎ合わせ部分の虫喰いの様子です。
接ぎ合わせの米の糊に虫がよく付くことが多いです。

丸のこで、接ぎ合わせの虫喰い部分を割取ります。

虫喰い部分を割取り、ちょっと幅を押し広げるように埋木をして修正します。

埋木したあと、鉋で平に削って仕上げます。

この桐たんすの側板ですが、接ぎが切れて、こんなふうに、板が反ってしまっています。
接ぎが切れるのは、木が年数を経て縮むからです。

木の繊維と平行に、大体、1%縮みます。幅50cmの板で、約5mm縮みます。
それを修正するように直します。
丸のこで、反りと接ぎ切れの部分をきっちり割ります。

縮んだ幅を修正するように少し押し広げて、埋木をします。

こちらは、この桐たんすの裏板ですが、同じように板が縮んで接ぎが切れてバラけてしまっていました。

縮んだ板の分を新しく足して接ぎ切れを修復します。
白く新しい木の幅が、大体、年数を経て縮んだ板の分です。

二つ重ねで使う桐たんすの、後ろ側の修理の様子です。

桐たんすの引き出しの前板も 縮んで、本体の棚口との間に、隙間が、3mm程出来ていました。
それで、棚口に新しく桐材を継ぎ足して、引出しを閉めた時、隙間ができないように直します。

桐たんす本体と引き出しとの隙間をなくして、修理して、調整した様子です。
白く見える部分が、新しい桐材で、修理したり、継ぎ足したりところです。

二つ重ねの桐たんすの上側の修理の様子です。

下側の修理、調整の様子です。

引き出しが、隙間なくピッタリと箪笥本体に納まるように修復して調整しました。

桐の時代箪笥の上置き部分の修理ができた様子です。
木地の修理が終わったら時代色といいますか、古色といいますか古美た色をつけて仕上げます。

木の皮などを煎じて作った、天然の染料を塗って、さらに触媒と言って、薬で色を出して、定着させます。
さらに渋やロウで艶を出して仕上げます。
昔から使われている材料を使って仕上げますと、ちょっと、味わい深い色に仕上がります。
桐の時代たんすの箱取手も、鍵座も、木地の色とマッチしたような感じです。

桐たんすの天板の時代仕上げの木目の様子と隅金具です。

横側の様子です、ハート型の模様の透かしが、なんとなく西洋的といいますか近代的な感じがします。

チョットお洒落な、二つ重ねの桐の時代たんすです。

桐の時代たんすの上置きは、テレビを置いてチェストとして使われます。
お問い合わせは、こちらです。
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