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桐たんす、和家具からテーブル、机までお造りする職人です。また漆塗りの職人でもあります/指物師、漆塗師~京都の大東漆木工

桐たんす再生、お洒落な時代金具

再生したお洒落な桐たんす、京都伏見

 ちょっと前になりますが、京都の伏見、淀という所に桐の時代たんすを再生して、納めさせて頂きました。

 淀は、あの淀君の、淀城の場所です。
 
 
 再生した桐の時代たんす、お洒落な金具

 話は変わりますが、お客様が、「この桐たんすは、普通の桐たんすと違って、お洒落なところが好きなんです。」と言っておられました。
 

桐たんすお洒落な時代金具

 どういうところが、お洒落と思われるか伺いましたら、


古色に仕上げた桐の時代箪笥

 「金具が、お洒落なところが好きなんです。普通の桐たんすには、こ
んな洒落た金具はついてないでしょ。」
とのことでした。


桐たんすの側面のお洒落な時代金具

 そう言われて、よく見ますと、横側の金具も、ハート型の模様の透かしが入っていたりと、何となくお洒落な金具がついています。
 

お洒落な桐の時代箪笥

 この桐たんすの上置きは、チェストとして使われることになりましたが、ちょっと見た感じ全体的にお洒落な感じがします。


古い再生前の桐の時代箪笥

 元々は、こんな感じの、古い桐の時代箪笥でした。


三つ重ねの桐の時代箪笥を分けて使う

 三つ重ねの桐の時代箪笥ですが、こんな風に、上置きと分けて使うことになりました。

 まず、金具を外して、水で流しながらよく洗います。そして乾いたら修理をします。


桐たんす、はぎ合わせ部分の虫喰いの様子です

 この桐たんすの、天板の接ぎ合わせ部分の虫喰いの様子です。

 接ぎ合わせの米の糊に虫がよく付くことが多いです。

 
桐たんす修理、はぎ合わせの虫喰い部分を割取る

 丸のこで、接ぎ合わせの虫喰い部分を割取ります。


桐たんす修理、虫喰い部分を割取り、埋木をして修復

 虫喰い部分を割取り、ちょっと幅を押し広げるように埋木をして修正します。


桐たんす修理、埋木し修復後、鉋で平に削る

 埋木したあと、鉋で平に削って仕上げます。


桐たんす再生、側板、反りと接ぎ切れ

 この桐たんすの側板ですが、接ぎが切れて、こんなふうに、板が反ってしまっています。

 接ぎが切れるのは、木が年数を経て縮むからです。

 
桐たんす修理、側板、反りと接ぎ切れの部分を割る

 木の繊維と平行に、大体、1%縮みます。幅50cmの板で、約5mm縮みます。

 それを修正するように直します。


 丸のこで、反りと接ぎ切れの部分をきっちり割ります。


桐たんす修理、側板、反りと接ぎ切れの部分を割って埋木する

 縮んだ幅を修正するように少し押し広げて、埋木をします。


桐たんす再生、裏板、木の縮による接ぎ切れ

 こちらは、この桐たんすの裏板ですが、同じように板が縮んで接ぎが切れてバラけてしまっていました。


桐たんす再生、裏板修理、縮んだ木の分を新しく足して接ぎ切れを修復

 縮んだ板の分を新しく足して接ぎ切れを修復します。

 白く新しい木の幅が、大体、年数を経て縮んだ板の分です。


桐たんす再生、裏側の修理をする

 二つ重ねで使う桐たんすの、後ろ側の修理の様子です。


桐たんす再生、棚口修理

 桐たんすの引き出しの前板も 縮んで、本体の棚口との間に、隙間が、3mm程出来ていました。

 それで、棚口に新しく桐材を継ぎ足して、引出しを閉めた時、隙間ができないように直します。


桐たんす再生、桐たんす本体と引き出しとの隙間をなくして、修理して、調整した様子

 桐たんす本体と引き出しとの隙間をなくして、修理して、調整した様子です。

 白く見える部分が、新しい桐材で、修理したり、継ぎ足したりところです。


桐たんす再生、二つ重ね、木地修理、上側

 二つ重ねの桐たんすの上側の修理の様子です。


桐たんす再生、二つ重ね、木地修理、下側

 下側の修理、調整の様子です。


桐たんす再生、二つ重ね、木地修理、斜め横側

 引き出しが、隙間なくピッタリと箪笥本体に納まるように修復して調整しました。


桐、時代箪笥、再生、上置き木地修理

 桐の時代箪笥の上置き部分の修理ができた様子です。

 木地の修理が終わったら時代色といいますか、古色といいますか古美た色をつけて仕上げます。


お洒落な桐の時代たんすの箱引手

 木の皮などを煎じて作った、天然の染料を塗って、さらに触媒と言って、薬で色を出して、定着させます。

 さらに渋やロウで艶を出して仕上げます。

 昔から使われている材料を使って仕上げますと、ちょっと、味わい深い色に仕上がります。

 桐の時代たんすの箱取手も、鍵座も、木地の色とマッチしたような感じです。


桐の時代箪笥の隅金具

 桐たんすの天板の時代仕上げの木目の様子と隅金具です。

桐たんす時代色仕上げ、側面

 横側の様子です、ハート型の模様の透かしが、なんとなく西洋的といいますか近代的な感じがします。


桐たんす、時代色仕上げ

 チョットお洒落な、二つ重ねの桐の時代たんすです。


桐たんすをお洒落に使う

 桐の時代たんすの上置きは、テレビを置いてチェストとして使われます。

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2013-05-11 : 桐たんす洗い、修理(再生、リフォーム) : コメント : 2 : トラックバック : 0
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 大東伸哉・おおひがしのぶや

Author: 大東伸哉・おおひがしのぶや
 京都で、 木工指物(指物師)と、
 漆塗り(塗師)をやっております。

 「京指物」 伝統工芸士
 大東漆木工 代表

 桐たんすや、水屋箪笥、机等、無垢の木で、和家具を造って…、漆をはじめ、天然の素材で、昔ながらのやり方で、仕上げております。
 
 桐箪笥や和家具の洗い修理、再生(リフォーム)や、漆の塗り直し等もしています。

 http://www.wakagu-ohigashi.com/

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