桐の板焼き~晩秋
「桐たんす」を造るのに、「板焼き」いう、チョット面白い工程があります。
解りやすく言いますと、桐の板を火であぶって力を加えて反りやねじれを直します。

2011年11月14日
夏は暑くてたまりませんが、秋から冬にかけて火が恋しくなる季節は大変うれしい仕事です。

この「桐の板焼き」の火は、やはり焚き火が一番よいようです。
チョッとのとき石油ストーブなどであぶって済ますことがありますが、部分的に焦げで、うまくいきません。

焚き火の材料は桐の切れ端や桐のカンナ屑が良いです。
むっくりと、こんがりと桐の板を炙ることができます。

急火で板を焦がしたり、遠火でじっくり炙ったり、中火でこんがり炙ったり、
水で濡らしたりして、桐の板を焼いて、ねじれや反りを修正します。

桐の木で焚き火をすると、どういうわけか甘い香りが立ち込めます。
桐の板を炙ったり、焦がしたりしても、甘い香りがします。

桐たんすを造る「チョット面白い板焼き」の様子です。
解りやすく言いますと、桐の板を火であぶって力を加えて反りやねじれを直します。

2011年11月14日
夏は暑くてたまりませんが、秋から冬にかけて火が恋しくなる季節は大変うれしい仕事です。

この「桐の板焼き」の火は、やはり焚き火が一番よいようです。
チョッとのとき石油ストーブなどであぶって済ますことがありますが、部分的に焦げで、うまくいきません。

焚き火の材料は桐の切れ端や桐のカンナ屑が良いです。
むっくりと、こんがりと桐の板を炙ることができます。

急火で板を焦がしたり、遠火でじっくり炙ったり、中火でこんがり炙ったり、
水で濡らしたりして、桐の板を焼いて、ねじれや反りを修正します。

桐の木で焚き火をすると、どういうわけか甘い香りが立ち込めます。
桐の板を炙ったり、焦がしたりしても、甘い香りがします。

桐たんすを造る「チョット面白い板焼き」の様子です。
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漆の下地付け用のヘラ
2011年7月7日

漆の下地付けは、桧で作ったヘラを使います。
この漆下地付け用の、桧のヘラですが、普通、自分で削って造ったり、調整します。
ヘラ用の桧の板は、目の細かい柾目板で、しかもナタで割った板を使います。

なぜ割った桧の板を使うかといいますと、繊維が切れずに、目が通った材料が取れるからです。
また、なぜ桧かといいますと、漆の下地は、生漆とトノコ、地の粉と、水や糊を混ぜて作りますが、桧は水分を含んでも、反ったり、狂わないからです。ですから、桧の割り板で、下地ベラを作ります。

一枚目の写真は、目の通った桧の割り板です。
二枚目と、三枚目の写真は、その桧の板から、板を対角線上に割って、二枚の桧ベラを作る様子です。削って、調整します。

四枚目の写真は、使い古した漆ベラを、削って調整し直した様子です。

漆の下地付けは、桧で作ったヘラを使います。
この漆下地付け用の、桧のヘラですが、普通、自分で削って造ったり、調整します。
ヘラ用の桧の板は、目の細かい柾目板で、しかもナタで割った板を使います。

なぜ割った桧の板を使うかといいますと、繊維が切れずに、目が通った材料が取れるからです。
また、なぜ桧かといいますと、漆の下地は、生漆とトノコ、地の粉と、水や糊を混ぜて作りますが、桧は水分を含んでも、反ったり、狂わないからです。ですから、桧の割り板で、下地ベラを作ります。

一枚目の写真は、目の通った桧の割り板です。
二枚目と、三枚目の写真は、その桧の板から、板を対角線上に割って、二枚の桧ベラを作る様子です。削って、調整します。

四枚目の写真は、使い古した漆ベラを、削って調整し直した様子です。
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漆風呂(むろ)
2011年7月20日
漆は、空気中の水分を吸収して固まり、乾きます。
ですから、漆風呂(むろ)というものの中に入れて乾燥させます。むろは、内側に杉板を貼って、その杉板に湿しを与えて、むろの中の湿度を保てるようにしてあります。
そして、むろは、きっちりと戸が閉められるようになっており、ホコリやごみが入らないようになっております。
つまり、漆を塗った後は、ホコリの立たない湿度が適当に保てるむろの中で、ゆっくりと乾かせます。

漆は、早く乾かすと色が黒っぽく、ゆっくりと乾かすと明るい色で塗り肌もよくなります。むろの湿し加減で、塗った漆の乾き具合を調節します。
最初は、あまり湿しを与えず、そこそこ漆が乾いてくる頃に、ちょっと湿しを与えて、漆を固めるように乾かすのがよいようです。
漆は、空気中の水分を吸収して固まり、乾きます。
ですから、漆風呂(むろ)というものの中に入れて乾燥させます。むろは、内側に杉板を貼って、その杉板に湿しを与えて、むろの中の湿度を保てるようにしてあります。
そして、むろは、きっちりと戸が閉められるようになっており、ホコリやごみが入らないようになっております。
つまり、漆を塗った後は、ホコリの立たない湿度が適当に保てるむろの中で、ゆっくりと乾かせます。

漆は、早く乾かすと色が黒っぽく、ゆっくりと乾かすと明るい色で塗り肌もよくなります。むろの湿し加減で、塗った漆の乾き具合を調節します。
最初は、あまり湿しを与えず、そこそこ漆が乾いてくる頃に、ちょっと湿しを与えて、漆を固めるように乾かすのがよいようです。
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寒冷紗(かんれいしゃ)(漆下地に使う布)
2011年7月30日

漆の下地は細かい土の粉と生漆を混ぜてこね合わせたものを薄く素地に付けますが、その前に布着せといって、布を貼る場合があります。
布の目を出したいときや、さらにむっくりと仕上げたいときや、カドなど補強したい場合、この布着せをする場合があります。

この漆の下地に用いる布は、麻布や、蚊帳や、綿の場合は寒冷紗など、少し透けたような目の粗い布を、糊漆で貼り付けます。少々、目の粗い目の布のほうが、素地にきっちりと空気が入らずに貼り付けられます。

うちでは、大体、寒冷紗を用いることが多いです。
上の写真は、寒冷紗を計って、裁断している様子です。
真ん中の写真は、糊漆で布を貼り付けている様子です。
3枚目の写真は、箪笥に布を前面に貼って、砥ぎ上げて、引き出しが納まるかどうかを確認している様子です。
布着せが終わりますと、下地を入れる工程に移ります。
※糊漆は、米の糊と生漆をませ合わせたものです。

漆の下地は細かい土の粉と生漆を混ぜてこね合わせたものを薄く素地に付けますが、その前に布着せといって、布を貼る場合があります。
布の目を出したいときや、さらにむっくりと仕上げたいときや、カドなど補強したい場合、この布着せをする場合があります。

この漆の下地に用いる布は、麻布や、蚊帳や、綿の場合は寒冷紗など、少し透けたような目の粗い布を、糊漆で貼り付けます。少々、目の粗い目の布のほうが、素地にきっちりと空気が入らずに貼り付けられます。

うちでは、大体、寒冷紗を用いることが多いです。
上の写真は、寒冷紗を計って、裁断している様子です。
真ん中の写真は、糊漆で布を貼り付けている様子です。
3枚目の写真は、箪笥に布を前面に貼って、砥ぎ上げて、引き出しが納まるかどうかを確認している様子です。
布着せが終わりますと、下地を入れる工程に移ります。
※糊漆は、米の糊と生漆をませ合わせたものです。
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桐のカンナがけ
2011年11月1日

桐たんすの内側になる部分は、組立ててからカンナをかけることができませんので、組立てる前に仕上げのカンナまでかけてしまいます。

桐を削るのに使うカンナは、普通の木を削るカンナよりもカンナ刃の仕込み勾配が寝ています。
そしてカンナ刃もより鋭角に研ぎます。つまり、鋭角の刃を鋭角の角度で桐の表面を薄くそぐような形で削ることになります。
桐は、普通の木と違って柔らかいので、よく研いで切れる刃をさらにこのようにして使わないとうまく削ることができません。

三枚目の写真は、カンナの種類です。左は、裏金がついている二枚刃のカンナです。
この裏金で逆目を止めます。荒削りや中削りのときに使います。
右のカンナは、裏金のない一枚刃のカンナです。このカンナは、軽く削れて木肌が大変きれいに削れます。ですから、仕上げ削りや、木口を削るのに使います。

荒削りから仕上げ削りまでのカンナくずです。桐たんすを、造るとき山のようにカンナくずができます。

桐たんすの内側になる部分は、組立ててからカンナをかけることができませんので、組立てる前に仕上げのカンナまでかけてしまいます。

桐を削るのに使うカンナは、普通の木を削るカンナよりもカンナ刃の仕込み勾配が寝ています。
そしてカンナ刃もより鋭角に研ぎます。つまり、鋭角の刃を鋭角の角度で桐の表面を薄くそぐような形で削ることになります。
桐は、普通の木と違って柔らかいので、よく研いで切れる刃をさらにこのようにして使わないとうまく削ることができません。

三枚目の写真は、カンナの種類です。左は、裏金がついている二枚刃のカンナです。
この裏金で逆目を止めます。荒削りや中削りのときに使います。
右のカンナは、裏金のない一枚刃のカンナです。このカンナは、軽く削れて木肌が大変きれいに削れます。ですから、仕上げ削りや、木口を削るのに使います。

荒削りから仕上げ削りまでのカンナくずです。桐たんすを、造るとき山のようにカンナくずができます。
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