桧の戸棚箪笥、水屋箪笥

桧の戸棚箪笥です。水屋箪笥というかもしれません。

上下、二つに分かれます。框(骨、軸組)は、桧で、天板など板の部分は、杉です。
この戸棚箪笥(水屋箪笥)は、修理して再生したものです。

積み重ねると、こんな感じで、大分、大っきいです

元はこんな風に大分傷んでいました。お客様は、滋賀県の大津の方です。
先代の時、戦時中に、空襲のため、大阪から大津に、ご一家で、引っ越されたそうです。
この戸棚箪笥(水屋箪笥)は、大阪おられた時から使ってられたそうです。

埃まみれなので、まず、洗ってから修理します。

目の通った柾目の桧材です。何に使うのかと言いますと、

水屋箪笥(戸棚箪笥)の骨組み(框組)の修理に使いました。

古い水屋箪笥(戸棚箪笥)ですが、具合が悪いところが多かったので、板を外して骨組みだけにしました。

さらに、その骨組み(框組)の悪い、傷んでいる部材を外し、

新しい桧で造った部材に替えました。
京都や滋賀近江地方の、伝統的な水屋箪笥は、桧の骨組みでできています。
ですから、新しく部材を替える場合も桧を使います。

古いホゾと新しい部材の様子です。

敷居の溝は、固めの木をはめ込みます。

この水屋箪笥の下回りは、ほとんど替えました。

木目のきれいな桧です。大変よい香りがします。

こちらは、幅広く糊で接ぎ合わせた杉板です。鉋で削って仕上げます。

天板や、

棚板になります。

本体の修理が終わりました。

こんな感じです。

引き戸も直して合わせてはめ込ます。
引き出しの前板は、空襲を受けたのか、焼けて焦げていたので、新しくしました。

引き戸の収まり具合です。

戸板も接ぎ合わせ直し、鉋で削って仕上げます。

直し終わったら、弁柄朱(べんがら)と、煤(すす)で色を付けて、

柿渋と、えごま油を引いて、浸み込ませて、仕上げます。

こんな感じの仕上がりです。一寸伝統的なやり方です。

迫力満点の、水屋箪笥というか、戸棚箪笥です。
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水屋箪笥と宮大工さん

滋賀県大津市のお客様のお宅に水屋箪笥を納めました。

写真では、分かりにくいと思いますが、修理再生です。
写真のお客様の先々代の弟さんが宮大工をされていて、その方が17歳の時に、この水屋箪笥を造られたそうです。
その宮大工さんは、19歳で、早逝されたそうですが、以来、宮大工さんの水屋箪笥が代々使われ、伝わってきたそうです。

写真は、修理する前に撮ったものですが、
宮大工さんが、亡くなられて、すでに100年以上経つそうです。

大分傷んできたので、ここで直して、また、お子様やお孫様に伝えたいということでした。
「前側だけ残して、内側と、後側は、使いやすいように新しく造り直してください。そしたら、また伝わっていくと思います。」とのご注文でした。

まず、水屋箪笥を水を流しながら、よく洗います。洗って乾かしたところです。

さらに水屋箪笥を解体し前側だけ残し、前側に合わせて新しく檜材で框組(軸組)を造ります。
スミつけと加工の様子です。

前側の框組の古いホゾ穴を埋めたり新しくホゾ穴を開けて水屋箪笥の框組を新しく替えます。

横側の上下の框は、蟻組で、繋ぎます。

後框の組手の様子です。

前面をそのままにして側面と後側を新しく代えて、直ました。
普通、水屋箪笥の框組(軸組み)は、目の通った桧を使います。
そして、側面や、裏面や、天板や、棚板には、杉材を接ぎ合わせた板を使います。

水屋箪笥の裏板に使う杉板を接ぎ合わせているところです。

接ぎ合わせた杉板は鉋がけして仕上げます。

棚板には、ちょっと、程度の良い杉材を使いました。

水屋箪笥の引戸と敷居の修理の様子です。継ぎ足したり、部分的に代えたりして直して、調整します。

そのまま使う前側の古い框は、鉋がけをして、木地を整えます。

入り込んだ所等も、いろんな鉋や、刃物で仕上げます。結構いろんな道具を使うものです。

水屋箪笥の木地の修理が終わったところです。

そしたら、弁柄とすすを塗り、柿渋を引いて、えごまの油で拭き上げます。

弁柄塗りが、終わったら、戸板など組付けます。

建具をはめてみます。

この水屋箪笥の上側の引戸を開けたところです。
棚は、取り外し可能です。

下側も同様、棚は取り外し可能です。

可動式の棚を造って下さいということで、このような棚を別に造りました。

上側にもおけるように、同じような持ち運びの出来る棚を、3つ寸法を変えて造りました。

弁柄を塗って仕上げて再生した、宮大工さんの水屋箪笥です。
腕の良い宮大工さんに多少でもあやかれますように…
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ヒノキの艶/水屋箪笥

カンナをかけています。桧材です。


目の細かい柾目の通った桧です。仕上げカンナをかけると、大変きれいな艶が出ます。

この柾目の桧材は、水屋箪笥の框(ほねぐみ)に使いました。弁柄を塗ると、また落ち着いた艶が出ます。

落ち着いた檜のツヤと、弁柄塗りの艶の、水屋箪笥です。
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桧と杉の水屋箪笥は…
滋賀県の大津のお客様のところに、水屋箪笥を納めた時のことですが、お客様が、大変、興味深いお話をしてくださいました。

どんな話かと言いますと、中近東のある国(アフガニスタン?と言ってられと思います)で、治水工事を援助で、各国が、請負ったのですが、その後、日本が工事をしたところはうまくもって機能し、他の西洋諸国の工事した所は、ダメで持たなかったということです。
日本は、どんな方法で、治水工事をしたかと言いますと、明治より以前、つまり江戸時代の技術や考えで、おこなったということです。
つまり、中近東のある国(アフガニスタン?)の治水工事に関しては、西洋の技術よりも、日本の明治以前の技術の方が、うまくいったと。
「おそらく、自然に優しくて、エコだったからでしょう。」と、言っておられました。

納めさせて頂いた水屋箪笥は、無垢の桧と杉を使い、弁柄塗りで、仕上げました。

素朴な様な、やさしい様な、強い様な、感じです。

どんな話かと言いますと、中近東のある国(アフガニスタン?と言ってられと思います)で、治水工事を援助で、各国が、請負ったのですが、その後、日本が工事をしたところはうまくもって機能し、他の西洋諸国の工事した所は、ダメで持たなかったということです。
日本は、どんな方法で、治水工事をしたかと言いますと、明治より以前、つまり江戸時代の技術や考えで、おこなったということです。
つまり、中近東のある国(アフガニスタン?)の治水工事に関しては、西洋の技術よりも、日本の明治以前の技術の方が、うまくいったと。
「おそらく、自然に優しくて、エコだったからでしょう。」と、言っておられました。

納めさせて頂いた水屋箪笥は、無垢の桧と杉を使い、弁柄塗りで、仕上げました。

素朴な様な、やさしい様な、強い様な、感じです。
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お洒落な水屋箪笥

リビングによく合う、アンティークな水屋箪笥です。
滋賀県で造られた、幅一間の近江水屋箪笥です。

以前、古道具屋さんで買われたそうですが、使うには少々傷んでいましたので、棚を替えたり、建具を合わせ直したり、修理しました。

隙間が空いていたり、底板の剝ぎが切れていたり

棚が曲がっていたり壊れていたり、引き戸の溝がなくなっていたり。
そしてガタガタしていました。

板を取り外して、骨組みだけにして修理しました。
いわば、水屋箪笥の解体修理です。


板を足して、隙間やガタツキをなくしたり、棚を新しくしました。

建具も擦り減って、ガタついていましたので、下駄をはたせたり、敷居を替えたりして修理、調整し直しました。

アンティークでお洒落な水屋箪笥が、実用的にきっちりと使える様になりました。

リビングで使う、お洒落な水屋箪笥
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