漆塗り、漆を合わせて塗る
「漆を塗ろう」と思っても、すぐに塗れるというわけではありません。
やっぱり、前もって、チョッと、色々と準備をしなければなりません。

こちらは、箪笥に「朱漆」を塗っているところですが…、、

「朱漆」は、「透き漆(右側の茶碗の黒っぽい水飴のようなもの)」と「朱の顔料(左側の袋に入った赤い粉)」を混ぜて造ります。

こんなかんじで、根気よく漆の中に、顔料を練りこみます。

よく混ざったら、紙や手板に試し塗りします。

「透き漆」は、採れる場所や時期によって、性格が違います。「早く乾く」、「黒っぽい」、「粘っこい」、などなど…、
もちろん「朱の顔料」もいろいろとあリますが…、

それで、透き漆を試し塗りしたり…、、朱の顔料を加減してたりして、「乾き具合」など色々と試してみて…、
そうして、やっと…、仕事に合う朱漆を造ることができます。。

そして、和紙でその朱漆を濾して…、

塗って…、、

乾いたらこんなかんじです。
「青い漆」や、「黄色い漆」も、漆と混ぜる顔料の色が違うだけで、似たような具合です。

ところで、「透き漆」ですが、採れる場所や、時期や、
「ナヤシ(漆をかき混ぜて漆の粒を均す)」の時間や…、、
「クロメ(木から採った漆を暖めながらかき混ぜて、水分を飛ばす)」の仕方によって、性格が変わります。

こちらの透き漆は、大分粘っこいです。タレにくいですが、ベタッと広いところは塗りにくいです。

試しに塗ってみて、「タレ具合」を見たり、
その他、「早く乾く漆」、「乾きの遅い漆」などあって、それも確かめます。
早く乾くと楽なようですが、入り組んだ広いところや、夏場は、チョットと「ゆっくり目」に乾くほうが楽です。

「ツヤの具合」も、色々で…、それも試しに塗ってみて…、
仕事に合わせて、いろんな性格の漆を混ぜ合わせて、、ブレンドして、使います。

さて、透き漆ですが、顔料を混ぜずに、塗る場合もあります。
まず何回か、濾して…、

その「濾した漆」で、刷毛をよく洗って…、

例えば、こんな風に、朱の上に塗ると…、、

乾いたら、こんな感じの、「透けたエンジ色」といいますか、「ワイン色」です。
とろんと溜まった様な感じの塗りですので、「溜塗り」と呼びます。、

同じように、、朱の上に透き漆を塗った「朱溜塗りの化粧箱」です。
蓋をあけると鏡台になリます。

蓋を閉めるとこんな具合です。わざと色ムラを付けました。
厚く透き漆を塗ったところは黒っぽく、薄く塗ったところは、朱色が目立ちます。。

こちらは、「黒漆」を塗っているところです。
この「漆の黒色」は、「顔料」や、「カーボン(煤)」をまぜて造るわけではありません。
この「漆の黒色」は、鉄と反応させて造ります。

木に鉄釘を打って、雨ざらしにしておくと、、鉄釘の周りが真っ黒な色になります。
これは、木の樹脂分が、鉄に反応して、黒色になる訳ですが…、
草木を煮だして造った、「草木染め」に使う煮汁も、同じように、鉄に反応して、黒色になリます。

これを利用して、漆にちょっと、鉄の粉を入れて、黒漆を造ります。もちろん濾しますが…、。
手っ取り早くは、漆に、塩化鉄を垂らして混ぜて造ります。

「黒漆」も、「透き漆」と同じように、仕事に合わせて、ブレンドして、使います。
「ツヤの具合」、「粘っこさ」、「乾く早さ」などなど…、、「自分の使い勝手」に合わせます。

塗った黒漆が乾いたところです。ウチでは、よく、下塗りに使いますが…、、

もちろん上塗りにも使います。

黒漆を塗って、仕上げた、「黒塗りの箪笥」です。
色々と、ご紹介させていただきましたが、
ウチでは、こんな風にして、「天然の漆」を使わせて頂いております。
*この記事は、2015年2月2日の記事を、リニューアルしたものです。
やっぱり、前もって、チョッと、色々と準備をしなければなりません。

こちらは、箪笥に「朱漆」を塗っているところですが…、、

「朱漆」は、「透き漆(右側の茶碗の黒っぽい水飴のようなもの)」と「朱の顔料(左側の袋に入った赤い粉)」を混ぜて造ります。

こんなかんじで、根気よく漆の中に、顔料を練りこみます。

よく混ざったら、紙や手板に試し塗りします。

「透き漆」は、採れる場所や時期によって、性格が違います。「早く乾く」、「黒っぽい」、「粘っこい」、などなど…、
もちろん「朱の顔料」もいろいろとあリますが…、

それで、透き漆を試し塗りしたり…、、朱の顔料を加減してたりして、「乾き具合」など色々と試してみて…、
そうして、やっと…、仕事に合う朱漆を造ることができます。。

そして、和紙でその朱漆を濾して…、

塗って…、、

乾いたらこんなかんじです。
「青い漆」や、「黄色い漆」も、漆と混ぜる顔料の色が違うだけで、似たような具合です。

ところで、「透き漆」ですが、採れる場所や、時期や、
「ナヤシ(漆をかき混ぜて漆の粒を均す)」の時間や…、、
「クロメ(木から採った漆を暖めながらかき混ぜて、水分を飛ばす)」の仕方によって、性格が変わります。

こちらの透き漆は、大分粘っこいです。タレにくいですが、ベタッと広いところは塗りにくいです。

試しに塗ってみて、「タレ具合」を見たり、
その他、「早く乾く漆」、「乾きの遅い漆」などあって、それも確かめます。
早く乾くと楽なようですが、入り組んだ広いところや、夏場は、チョットと「ゆっくり目」に乾くほうが楽です。

「ツヤの具合」も、色々で…、それも試しに塗ってみて…、
仕事に合わせて、いろんな性格の漆を混ぜ合わせて、、ブレンドして、使います。

さて、透き漆ですが、顔料を混ぜずに、塗る場合もあります。
まず何回か、濾して…、

その「濾した漆」で、刷毛をよく洗って…、

例えば、こんな風に、朱の上に塗ると…、、

乾いたら、こんな感じの、「透けたエンジ色」といいますか、「ワイン色」です。
とろんと溜まった様な感じの塗りですので、「溜塗り」と呼びます。、

同じように、、朱の上に透き漆を塗った「朱溜塗りの化粧箱」です。
蓋をあけると鏡台になリます。

蓋を閉めるとこんな具合です。わざと色ムラを付けました。
厚く透き漆を塗ったところは黒っぽく、薄く塗ったところは、朱色が目立ちます。。

こちらは、「黒漆」を塗っているところです。
この「漆の黒色」は、「顔料」や、「カーボン(煤)」をまぜて造るわけではありません。
この「漆の黒色」は、鉄と反応させて造ります。

木に鉄釘を打って、雨ざらしにしておくと、、鉄釘の周りが真っ黒な色になります。
これは、木の樹脂分が、鉄に反応して、黒色になる訳ですが…、
草木を煮だして造った、「草木染め」に使う煮汁も、同じように、鉄に反応して、黒色になリます。

これを利用して、漆にちょっと、鉄の粉を入れて、黒漆を造ります。もちろん濾しますが…、。
手っ取り早くは、漆に、塩化鉄を垂らして混ぜて造ります。

「黒漆」も、「透き漆」と同じように、仕事に合わせて、ブレンドして、使います。
「ツヤの具合」、「粘っこさ」、「乾く早さ」などなど…、、「自分の使い勝手」に合わせます。

塗った黒漆が乾いたところです。ウチでは、よく、下塗りに使いますが…、、

もちろん上塗りにも使います。

黒漆を塗って、仕上げた、「黒塗りの箪笥」です。
色々と、ご紹介させていただきましたが、
ウチでは、こんな風にして、「天然の漆」を使わせて頂いております。
*この記事は、2015年2月2日の記事を、リニューアルしたものです。
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漆塗り箪笥、工程、Facebookより
「Facebook」に投稿した、「漆塗り箪笥を造る」様子を、日付順に整理してご紹介しました。
「漆塗り箪笥を造る工程」がよく分かります。ぜひ、ご覧ください。
「大東漆木工(おおひがしうるしもっこう)のFacebookページ」は、クリックして、どなたでもご覧いただけます。
「漆塗り箪笥」を造るには、まず、「桐たんす」を造ります。
桐材を、木工機で挽き割り、木取ります。

漆塗り箪笥の木地には、ウチでは、桐材を使います
これから、漆を塗る工程になります。
桐で、漆塗り箪笥の木地を造ったら、まず、生の漆を木地に浸み込ませて、漆で木地を固めます
私の「大東 伸哉(おおひがしのぶや)のFacebook」も、アカウントを取るとご覧いただけます。

ぜひまたご覧ください
「漆塗り箪笥を造る工程」がよく分かります。ぜひ、ご覧ください。
「大東漆木工(おおひがしうるしもっこう)のFacebookページ」は、クリックして、どなたでもご覧いただけます。
「漆塗り箪笥」を造るには、まず、「桐たんす」を造ります。
桐材を、木工機で挽き割り、木取ります。

漆塗り箪笥の木地には、ウチでは、桐材を使います
これから、漆を塗る工程になります。
桐で、漆塗り箪笥の木地を造ったら、まず、生の漆を木地に浸み込ませて、漆で木地を固めます
私の「大東 伸哉(おおひがしのぶや)のFacebook」も、アカウントを取るとご覧いただけます。

ぜひまたご覧ください
お問い合わせは、こちらです。
漆塗り3、下地付け
今回は、「朱や黒色の漆を塗る前に、漆で下地を造る様子」を、紹介してみたいと思います。
ところで、なぜ下地というものを付けるのかといいますと…、、

さて、漆を塗った箪笥ですが、「布目朱溜塗り」という塗り方です。
布を着せて、、その貼った布の凸凹の風合いを活かした漆の塗りです。

布を着せるのは、角っこなどが欠けたりしないように補強するためです。
けれども、その貼った布の上にそのまま朱や黒の漆を塗っても、布の凸凹が、荒く出すぎてあまり綺麗ではありません。

それで、貼った布の上に、細かい土の粉と、漆を混ぜあわせたものを練り付けます。
細かい土の粉と、漆を混ぜあわせたものが「漆の下地」です。

この漆の下地をつけると、「ムックリ感」が出ます。
また、何回も下地を付けて、「木目や布目の凸凹を無くして鏡面」にすることもできます。

漆の下地は、生漆と…、

「地の粉」といって少しだけ粗めの細かい土の粉や、

ホントに細かい「砥の粉」土の粉を混ぜて造ります。

下地を厚く付けたい場合は、粗めの「水練りした地の粉」と「生漆」と「米糊」を混ぜて造った…、

「地の粉地」という漆の下地を使います。。

こちらは、細かい土の粉の「砥の粉」を水で練る様子です。

この「水練りした砥の粉」と「生漆」を混ぜて造った下地は…、

「錆地」と言って、木目や布目を活かしたり、薄く下地を付ける場合や、下地の仕上げに使います。

水練りした「地の粉」と「砥の粉」と「生漆」混ぜて下地を作る場合もあります。

「切り粉地」と言って「粗目の地の粉地」と「細い目の錆地」の中間です。

だいたい、この三種類の下地を、仕上げ方によって、色々と使い分けます。

ヘラで下地を付ける様子です。

下地付けは、薄く、「一回だけ」で済ましたり、、、「付けて…、研いで、また付けて」を繰り返して厚くむっくりとさせたりと、色々です。

なかなか紹介しきれないので、今回は、これで終わりです。次回また、下地を研ぐ様子など、もう少し詳しく紹介したいと思います。
ぜひ、ご期待ください。
ところで、なぜ下地というものを付けるのかといいますと…、、

さて、漆を塗った箪笥ですが、「布目朱溜塗り」という塗り方です。
布を着せて、、その貼った布の凸凹の風合いを活かした漆の塗りです。

布を着せるのは、角っこなどが欠けたりしないように補強するためです。
けれども、その貼った布の上にそのまま朱や黒の漆を塗っても、布の凸凹が、荒く出すぎてあまり綺麗ではありません。

それで、貼った布の上に、細かい土の粉と、漆を混ぜあわせたものを練り付けます。
細かい土の粉と、漆を混ぜあわせたものが「漆の下地」です。

この漆の下地をつけると、「ムックリ感」が出ます。
また、何回も下地を付けて、「木目や布目の凸凹を無くして鏡面」にすることもできます。

漆の下地は、生漆と…、

「地の粉」といって少しだけ粗めの細かい土の粉や、

ホントに細かい「砥の粉」土の粉を混ぜて造ります。

下地を厚く付けたい場合は、粗めの「水練りした地の粉」と「生漆」と「米糊」を混ぜて造った…、

「地の粉地」という漆の下地を使います。。

こちらは、細かい土の粉の「砥の粉」を水で練る様子です。

この「水練りした砥の粉」と「生漆」を混ぜて造った下地は…、

「錆地」と言って、木目や布目を活かしたり、薄く下地を付ける場合や、下地の仕上げに使います。

水練りした「地の粉」と「砥の粉」と「生漆」混ぜて下地を作る場合もあります。

「切り粉地」と言って「粗目の地の粉地」と「細い目の錆地」の中間です。

だいたい、この三種類の下地を、仕上げ方によって、色々と使い分けます。

ヘラで下地を付ける様子です。

下地付けは、薄く、「一回だけ」で済ましたり、、、「付けて…、研いで、また付けて」を繰り返して厚くむっくりとさせたりと、色々です。

なかなか紹介しきれないので、今回は、これで終わりです。次回また、下地を研ぐ様子など、もう少し詳しく紹介したいと思います。
ぜひ、ご期待ください。
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今月は…、祇園祭の…
京都も、祇園祭の宵山が過ぎて、いよいよ、夏らしくなってきました。
さて、今月は、ブログの更新が遅れていますが、近々、更新しますのでよろしくお願い致します。

タイトルは「漆塗り3、下地付け」です。

「朱や黒色の漆を塗る前に、漆で下地を造る様子」です。
ぜひ、また、ご覧ください。よろしくお願い致します。
さて、今月は、ブログの更新が遅れていますが、近々、更新しますのでよろしくお願い致します。

タイトルは「漆塗り3、下地付け」です。

「朱や黒色の漆を塗る前に、漆で下地を造る様子」です。
ぜひ、また、ご覧ください。よろしくお願い致します。
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漆塗り、下地付け…そして
前回、「次回は、漆塗りの下地付けの様子をご紹介しますので、…」と、言っておりましたが…

ヘラで漆の下地を付けているところですが、…
今回は、ちょっと予定を変更して、漆塗りの仕上がった様子を、先に簡単に紹介してみたいと思います。

塗った漆が、乾いたところです。

座卓です。近づいて、見たら、こんな感じです。

箪笥です。金具を付けて、引き出しを開けたところです。
中は、桐です。

座卓を全体に見ると、こんな感じです。模様の付いた、漆の溜塗りです。

時代金具を付けて仕上げた、漆、黒塗りの箪笥です。

同じように時代金具を付けた漆塗りの箪笥でが、朱溜塗りという塗り方です。

次回は、漆塗りの、下地を付けたり研いだりする様子をご紹介しますので、ぜひご覧ください。

ヘラで漆の下地を付けているところですが、…
今回は、ちょっと予定を変更して、漆塗りの仕上がった様子を、先に簡単に紹介してみたいと思います。

塗った漆が、乾いたところです。

座卓です。近づいて、見たら、こんな感じです。

箪笥です。金具を付けて、引き出しを開けたところです。
中は、桐です。

座卓を全体に見ると、こんな感じです。模様の付いた、漆の溜塗りです。

時代金具を付けて仕上げた、漆、黒塗りの箪笥です。

同じように時代金具を付けた漆塗りの箪笥でが、朱溜塗りという塗り方です。

次回は、漆塗りの、下地を付けたり研いだりする様子をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
お問い合わせは、こちらです。